その"運命"ってやつが
俺はあの日から気に食わなかった。


俺の人生を、裏で操ってるやつがいるんなら出てこい。
俺が彼女と別れなきゃいけなかった理由を、俺が納得するように言えよ。


中3の11月。
しばらくは毎日のように
泣き叫んだ。
毎日のように酒を飲み、
タバコにも手を出した。



彼女はもちろん、
戻っては来なかったけど。




こいつ──上野琉真は
いつも一緒に居てくれた。

一応受験生だったから
リュウが呪文のように唱えていた
数式や英単語は
俺にも自然に身についた。


そのおかげかはわからないが、
リュウはもちろん、
俺も高校には合格した。




中学生最後の春休みも、
結局隣にはこいつがいる。






リュウはやたら大人びていて
暴れ出すと誰も手のつけれない俺を
サラッとあしらえる唯一の人間なのだ。