だってさ、理不尽だろ?


好きなヤツができたから
別れてくれなんてさ。



全力だった。
俺は何よりも全力だったのに。

そいつが現れたばっかりに
俺はもう用無しになったらしい。


ガキだった。
あの時の俺は
世間知らず、常識知らずの
ただの中学生のガキだった。



そんな俺が、
彼女の目に頼りなく映ったのは
確かだろう。



でも…
ガキはガキなりに
精一杯レンアイをしていたわけで。


少なくとも
彼女の為に生きていた。

彼女が
ちゃんと勉強して
と言ったから授業にも出た。

彼女が
人に迷惑をかけては駄目
と言ったから後輩へのカツアゲを止めた。

彼女が
友達を大事にしなさい
と言ったから親友ができた。





……結局彼女は
俺の為になるような人だった。




そんな"元"彼女は
俺の6コ上だった。




髪が長くて、
いつもいい匂いがして、
細身で背も小さくて優しくて、
なんかわかんないけど
キラキラしてて…

俺の、初恋。