【短編】お隣BOY☆

お母さんの後ろの食器棚に私の姿が映っているのが目に入った。



な、なんと。



眉間に黒いかたまりが…



手で取ると、その正体は湿った味のり。



おそらく斜め前に座っている将太が吹き出した時にとんだのでしょう。



味のり食べてるのは奴だけだから…



多良家の人々は、涙を流しながら苦しそうに笑っていました。



多良さんよ…。

泣きたいのはこっちです…



―それから3年後…



「多良さーん。多良歩來さーん」


「は、はい…」


「ぷっ…」



タラフクさんの顔を一目でも見てやろうとする周囲の視線を浴びながら…。


産婦人科の診察室に入る私がいたり…するのです。