「就活どう?」


今日は日曜日。


久しぶりに彼とのんびり過ごせる。



「通知が来てて来週面接だよ」


「そっか。お前、頭だけはいいよなぁ」


彼は笑いながら言った。



「頭だけって…」


私はふくれっ面で言った。


「面接と言えばさ…今度実家帰る時に一緒に来るか?」


じ、実家…?


「親に一応紹介しておこうかなと」



彼は放心している私の顔を覗き込んだ。


「う…でも、ふつつか者なのに大丈夫かな…。なんか緊張してきた…はっ!ど、どうしよう」


うろたえ出した私を見て、

「うちの親はそんなかたっ苦しくないし。平凡な家庭だから…」


と慌てて言った。



いつかは…

け、結婚するのかな。



なんかくすぐったい気持ちになった。



もくもくと妄想は膨らんで、二人目の子どもが生まれたところで、ふと気になった。



「ねぇ、虎太朗の名字ってそういや何だっけ…?」



彼は笑うのをこらえている。


私…そんな変なこと聞いたかな。


「ねぇ。何笑ってんの?」