…同じ学校なのに
『久しぶり』ってのも変な挨拶だな
俺の前にいる大介を見た。
そんな大介の顔からは
今までの笑顔は消えていて
「……………どうも。」
そっけない挨拶をする。
…いつも無駄にキラキラしている大介の様子が
おかしいのは一目瞭然。
俺は大介がどんな顔をしているのか
横顔を見る。
そんな微妙な空気が流れているのにもかかわらず
俺たちの様子に気付かない真は
「今日は図書館でベンキョーしてたんですよ!
んで、今から腹ごしらえに行こうって話してて──」
よっぽど憧れの存在なのか
真は、顔を紅潮させて身振り手振りで説明してる。
「そうだ、センセ!」
真が俺たちの顔を見て
「ここで会ったのも何かの縁っす!
センセも一緒に、メシ食いに行きましょうよ!」
真の突然の申し出に
大介は先生を見た。
一瞬、大介の顔つき厳しく見えた
……気のせいか?
今はなんともない、普通の大介の笑顔だ。
「若者の仲間に入れてもらえるの?嬉しいね」
先生は相変わらず微笑んでいた。
「な、いいだろ?」
真が同意を求めてくる。
…特に嫌がる理由が見つからない俺は『別にいいよ。』と言ったが、
大介の返事がなかった。