「いやー


センセに久々に会ったけど
相変わらずカッコ良すぎ!」

── 女子みたいなことを言って


弁当の唐揚げを頬張る真。

昼休み。


俺は大介と真の三人で

昼食の最中。


思い出したように真が話し始めた。


「センセって、さっきの?」

俺は口の中にパンを詰める。


「そう!三崎センセ。

センセって、大学までテニスやっててケッコー有名だったんだぜ!

なんてったって、あのルックス!!

完璧な男って憧れるぜ!!」


真が箸をラケット代わりにブンブン振る。


…真、行儀悪いぞ…


「テニス部の顧問?」


「そっ!

男の俺でも惚れそうになるくらいカッコイイぜ!」


手を胸の前で握って
なぜか祈るポーズをする真。

ゲ……ホントはもう惚れてるんじゃねーの?!


言いそうになったが
言葉を飲み込む。



「うちの中里、三崎センセーラブ♪だぜっ」


真は、ウシシッと笑い、


「いつも二階の廊下からテニスコート見てるんだぜ。

テニスコートから見えるんだよね。ケッコー丸見え。三崎センセとすれ違うときの
あいつの顔は女だよ」



女…か。


俺はジュースをすすった。

「大介はあのセンセ知ってた?」


俺の隣に座ってる大介に話しかける。


「……大介?」


反応がない。

もう一度、声をかける。


あ、という顔をしたが


「なに〜?」


いつもの笑顔だっだ。


「あっ、ジュース買うの忘れた〜!行ってくるる〜!」

バタバタ〜と教室を出ていった。


違和感を感じた。


いつもの笑顔だが大介らしくない…感じがした。