「…顔も良くて

頭もよくて


女性にも人気があって


非のうちどころがないって……長谷川がいつも羨ましいがっているよ。」




『センセ』が笑う。




「ちょっ……ちょっとセンセー!!

お願いだから本人に言わないでくれよぉ〜!」




慌てた真は


先生に詰め寄る。





「大丈夫。長谷川、


お前もいい男だよ。」



真の肩をポンポン叩き笑っていた。




「…じゃ、受験生、風邪引かないように。」



そう言って


微笑みながら
その場を去った。



真は先生の後ろ姿を眺めながら



「はぁぁぁあ…。三崎センセの男の色気…


見習いたいっ!!」



握りこぶしを作って


興奮気味の真。




三崎…っていうんだ


あの『センセ』。




…確か二年になってすぐにうちの学校に来て


女子が


「先生、かっこいい〜!」

キャーキャー騒いでた記憶が蘇ってきた。



大人の色気、ね。


…確かに


色気を感じた。大人の余裕ってヤツ?



ま、俺は男には興味ないし

関係もない。




「真、お前ならなれるよ

。お前、



女より男にもてる。」




俺が頷きながら


半笑いをする。、



「くぉぉぉぉ〜!

ハルに言われるとなんかムカつく〜!!」



そう言って


ダーッと廊下を走っていった。





さすが、体育会系…。



俺も時計を見る。




「ヤバッ!」


慌てて真の後を追い



教室に向かった。



授業に遅刻し


担任の中里は




『どうせ私の授業なんて―!!』



真と俺は苦笑いで


『まぁまぁ、センセー』




平謝りしてた。