群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

「汗でベタついちゃったね!!」


照れてることを隠したくて

俺は自分の体を触りごまかした。




「シャワー浴びておいでよ」


彼女はそう言い横になる。



「おーちゃんからどうぞ。」


やっぱり、女の子を先にいれるべきだよな…。



「ううん。


私は大丈夫だから。先に入っておいで。


…それに、私、もう少し横になってたほうが楽なんだ…」



最後の語尾が聞こえなかった。




……そっか。



「ごめん!!



つらいんだよね、体。」




俺は彼女の頭を撫でた。



「もう少しすれば大丈夫だよ。」




にっこり笑う。



「ほら、浴びておいで!」

彼女に言われ、立ち上がり、バスルームに向かおうとしたけど



……彼女と離れるのが寂しくて…



彼女の体を引き起こし



抱き締めた。



「…私とくっつくと、ますますベタベタしちゃうよ。

ほら、行っておいで!」


彼女は


右手で俺の頭をポンポン優しく叩いた。



まるで子供にいい聞かせるように。




「──…わかったよ。」



渋々体を離す。



彼女は、俺の背中を押しながら明るい声で送り出す。


俺は苦笑いをして歩き出し、リビングを出てバスルームに向かった。





……この時、どうして気付かなかったんだろう。



彼女が泣きそうな顔を


無理矢理笑顔に作っていたことを。