群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

「──ハルくん…」

「……晴海〈ハルミ〉って呼んで。」


俺は腕の中の彼女に囁く。

「皆、『ハル』って呼んでるけど、…俺、『晴れた海』って書いて晴海なんだ。

………大介から聞いてるかもしれないけど…。」


「……うん…」



「『はるみ』なんて女みたいな名前、大っ嫌いだったから、絶対、皆には『ハル』って呼ばせてるんだけど…」


「……うん…」


「──… おーちゃんが『晴海』って呼んでくれるなら、自分の名前好きになりそうな…気がして…」



…俺は恥ずかしくなって、彼女に見えないように、彼女のおでこに自分のおでこをコツンとくっつけた。



彼女は頬を赤らめ、



「ハルくんの名前…


『晴海』って、ぴったりだと思ってたよ。


爽やかで、広々してて


…『青』が似合うよ。


"晴れた空"も"海"も、


綺麗な『青』だもんね…。

ホントに素敵な名前だよ。」



…彼女の言葉で、心の霧が晴れていく…。




「──……晴海くん…」



恥ずかしそうに俺の名前を呼び、目を細める、彼女。



彼女といれば、



今までの自分のことを

許せるようになるかもしれない…。



これからの俺の未来に


明るい光を当ててくれるかもしれない…。




そんな風に思えた。




…だって彼女は、



俺の……





『運命の人』だから。