群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

香織は、


俺の隣でうつ向いている彼女を見つけ、



下から上へと舐め回すように見た。




「ハルぅ、趣味変わったのぉ?


遊園地でプラトニックに遊ぶにしても


ずいぶん地味な子じゃない〜?」



馬鹿にしたような香織の口調。



…さらに香織は、彼女に近付き



「今からハルのこと、貸してくれないかなぁ?

あなたじゃ役不足で物足りなかっただろうから、


ハルと大人の時間過ごしてくるからぁ。


イイコトしてくるからぁ♪」


クスクス笑いながら、彼女の耳元でそう囁いた。




「!!…お前、いい加減に…」





ふざけんな!!



──俺が、声を荒げようとした時、




「……申し訳ありませんが、ハルくんは今夜、私と過ごす予定です。


今夜は私1人で間に合ってますので、


どうかお引き取りください♪

あ、彼氏さん見てますよ?」



うつ向いてた顔を上げ、とびきりの笑顔で、彼女は香織を叩きのめした。



「なっ、なっ…?!あっ、もうっ!!」


言葉にならない言葉を残し、彼氏の元へ戻っていった。


自分より可愛かったもんだから馬鹿にしてた分、焦ったんだろう。




俺はすかさず彼女の手をしっかり握って、


駅のある方向へサッサと歩いた。




悔しがってた香織の、あの顔、ケッコーおもしろかったかも…。