群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

それからのことはよく覚えていない。



俺の心臓の音が彼女に聞こえていないか、


…そんなことばかり考えていた。




「ね、次あれ乗ろ!」



彼女が俺の手を引き、指を差す。


…意外にも彼女は、スピード系が大好きみたいで、そういう系ばっかり乗っていた。



俺の手を引っ張り、走り出す。



俺もつられて一緒に走った。





「ハルくん、遅いよ!」



彼女が笑う。



俺もつられて笑う。




向かい風は冷たい。




けど心地いい。



──…彼女に会ったのは、ついさっきなのに



今まで冷えきっていた俺の心は



雪解けを迎えそう、そんなふうに思えた。