群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

(『おーちゃん』って本名じゃないよな…?


ニックネーム…)



……俺がよっぽど変な顔をして考えていたのか、




「…ハルくん、顔おかしいよ?」


そんな…『おーちゃん』にポソッと言われてしまった!



──…まぁ、『一日彼氏』を頼んでくるくらいだから、何かワケアリなのかもしれない…。



可愛いのに…



俺はそう自分を納得させ、


「なんでもないよ」




にっこり



俺の一番スペシャルな笑顔で


おーちゃんを見て微笑んだ。


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駅に着くと


「んじゃ、ボクはここでお別れで〜す」



大介が涙を拭く真似をして俺たちに手を振った。



俺も大介に手を振って駅をくぐった。





「どこか行きたいとこある?」



どこ行けばいいんだろう…実は昨日の夜も考えてた。


デートなんかしたことなかったから、悩めば悩むほどいい案は浮かんでこず。



かなり焦ってた俺。


…けど、そんな俺をしり目に、



「遊園地!!」




元気な声で顔いっぱいの笑顔を作り、おーちゃんは即答した。




……即答かよ(笑)



…けど『何でもいいよ』って言う女に飽きてたから、

自分の意思をはっきり口に出す女。笑った顔がホントに嬉しそうで



そんな彼女の笑顔につられて俺も笑ってた。



作った笑い以外の笑顔は何年ぶりだろう。