「二度と律子に手ぇ出すな!!」



興奮してきたのか、


その男は怒鳴っては俺の体を起こし、何度も殴る。




俺は手を出さず、

一方的に殴られ続けてた。



俺だって弱い方ではない。けど、今逃げたところで、また待ち伏せされるだろうし、


気が済むまで殴ればコイツの気も晴れんだろう…。



…さすがに痛みが度を越し、体は麻痺していた。


けど、薄れていく記憶の中で、俺は呑気にそんなことを考えていた。




感覚が麻痺してくる……



目の前が暗くなってきた。




そんな時



『おまわりさ〜ん!こっちです!こっち!!』





静寂を破る、大きな声が夜の公園にこだました。