……二人とも、外で話してるとばかり思ってたから…




『女なんか大嫌いだ』


晴海くんの本音を聞いてしまった私は、その場に固まってしまった。




「……あ」



私に気付いた晴海くん。



私は慌てて


「ごめんなさい。

──…聞くつもりはなかったんだけど…」


そうは言っても、晴海くんのさっきの言葉が胸に突き刺さって…うまい言い訳がでてこなかった。



……落ち着け、私。


胸の前で左手をギュッと握り、


「真くん、二人ともいなくて寂しがってたよ?」


晴海くんの顔は直視出来ず胸元を見ながら笑った。



「…………」


それでも何にも言ってくれなくて……目尻が熱くなってきた…。



「じゃ、戻らないとね〜」


晴海くんの代わりに大ちゃんが振り返り、私を見て笑う。


大ちゃんの笑顔に少しほっとしたけど、私の中のモヤモヤは消えなくて、口をギユッと閉じた。



「ほら、ハル、行こっ」


大ちゃんがハルくんの背中を押して私の横を通りすぎる──…



たったそれだけのことなのに、心臓がうるさいくらい騒いでる。


すれ違う時、晴海くんの顔をチラッと覗いた。


あ……


一瞬、目が合ったような気がして


バッと下を向く。


晴海くんから匂う香水はただただ懐かしく思えて…



トイレに駆け込んだ。




まさか…こんな出会い方をするなんて想像してなかった。