「斎藤律子は俺の女だ!


お前に無理矢理関係を迫られたって…


泣いて謝って俺に助けを求めてきたんだ!!」



…迫った?
あんな女の下手な演技に騙されてんの、わかんないのか、コイツ。


高校生って知ってて『若い子はいいわ〜!』って誘ってきたのはそっちなのに。



俺はこんな状況なのに、クサイ芝居をしている律子を想像し、あまりのアホ臭さに

笑いそうになるのを押さえた。


周りでは、二人の男が『人の女に高校生が手ぇ出しちゃダメだねぇ』

『顔がいいからってチョーシに乗んなよ!』など、外野がうるさい。



…何も言わず、抵抗しない俺の態度が気に食わなかったのか


男の右手の拳が


『ドスッ』



俺の下腹に食い込む。



は、不意討ちかよ…



俺は地面に倒れこんだ…。