群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

…話すべき時がきたんだろうか?




何から話す?
どこまで話す?



愛のない結婚。愛のないセックス…。



そんなの、大ちゃんに言えるわけない。



昔の私を知ってる人に

今の自分を知られたくなかった。



…結局、あれから見た試合は全然、頭の中に入ってこなくて、試合を見ながら何を話すかを考えていた。



17時半。試合が終り、帰り始めた人混みの中、



「私はこれからバスで生徒たちとホテルに戻るから。気を付けて帰るように。」


「…はい…。」


「美桜?…やはり私も家に戻ろうか?疲れたか?ボーッとしてるぞ?」

涼は私に顔を近づける。


「え?……あ、久しぶりに外にいたから疲れちゃったみたい。最近はずっと中での仕事だったから」


私は笑って


「大事な生徒さん達を預かっているんですから、行ってください、三崎センセ。」


「…わかったよ。」


涼は私の頭を撫で、"じゃ"手をあげバスへ乗り込んだ。



…涼は時々優しくなる。



私はバスを見送ったあと

真っ直ぐ駅へ向かった。