群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

こんなにワクワクするのはいつ以来だろう。



白熱した試合が展開されている、目の前のコートから目が離せなくて…ホント、久しぶりにドキドキした。



コートのベンチに座っていた涼が、私に近付いてきて


「休みなのにすまなかったね」


「ううん。私こそ、久しぶりにテニスの試合を見ることができて、感謝しています。」


微笑んだ。



「それはよかった。…じゃ、戻る。」


「うん。頑張って下さい。先生。」



手を軽く振って見送った。




しばらくその試合を見ていたけど



……誰かに見られてる?




気のせいかもしれない。




けど…。




辺りを見回したけど誰もいなくて。




試合中だけど、コートを離れ、少し離れたところにあるトイレに向かうふりをし、ゆっくり歩いていった。




……やっぱり誰か着いてきてる。



それを確信したところで、人通りの多い場所に移動しよう……ゆっくりゆっくり走り出した。




──…んもうっ!
この靴走りにくくてホントヤダ!!




あと、もう少し…




────ガシッ



!!



「触らないでよ!!」


「その声、…やっぱり!」

──…なんで?



「うちのガッコの試合見てたら…見付けちゃったよ。でもさ、声聞くまで自信なくて」



私の目を見てゆっくり話す。


「声…聞いて安心した。」



ちょっと寂しそうな笑顔を浮かべて立っていたのは…



「──……大ちゃん…」



「久しぶりだね…」




笑った顔は子供の頃と変わってなくて、


初めて見る学ラン姿はとても眩しかった。