群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

今だってそう。



涼の行為に、感じてる“ふり”をして答えてあげる。



その行為が終わると、横たわり目を瞑る涼を確認し、

すぐにシャワーを浴びる。



泡と一緒に私も流れていけばいいのに…何度もそう思ってた。





「遅かったね」


珍しく涼が起きてて、



「髪、乾かしてたの」



微笑んで嘘をつく。



「そっか」


簡単に納得する涼は、満足したように



「来週会えないのはツラいなー」



私の手を引き抱き寄せた。



「仕方ないよ。お仕事だもの」


「なぁ、…試合観にこないか?」


「試合?テニスの?」


「そう。生徒と一緒ホテルに泊まるから夜は一緒にいられないんだけど」



涼は私を引き寄せ、自分の膝の上に座らせる。



……テニスか。



ラケット、何年握ってないんだろう。



忘れたはずのテニスのことを考え始めたら


きりがなくて…



久々にあのボールの音が聞きたくなった。



「私も」


「…私も二週間、涼に会えないのは寂しいよ」


涼の両手をとり


「…だから、見に行くよ。涼に会いたい」



涼の目を見て微笑み、また嘘をついた。