群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

──大学生活は中身のナイ毎日を送ってた私には、あっという間に過ぎ去って


気付けば、結婚して二回目の秋をむかえてた。



瀬南くんの提案で始まったお義父さんの秘書見習いは、最初はお義母さんと二人でついて回っていたけど、すっかり頼られてしまい、
一年過ぎた頃には、スケジュール管理からすべてを任されて、


今では偉い人が出席する会合や、パーティにも顔を出していて、どっぷり大人の世界に浸かっている。



息子の嫁とは言え、『女』には変わりないらしく、名のある議員さんから誘われるのも日常茶飯事になり、
おかげで大人の対応が身に付いて、涼につく嘘も上手になった。

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「子どもか。


気が早いよな、全く。うちの両親は。」


そんなことを言いつつも、私の腰に手を回してくる。


「……そうね」



私を抱き寄せ


「──美桜…」


私の名前を呼び、涼の顔が私の顔に近付いてくる…。


私はいつも通り

すぐ目を閉じる。



…顔、みたくないから。




─…唇を何度も重ね
涼の生あたたかいモノが

私の中に入ってくる。



会うと必ず涼は私を抱く。




平気。


これは“儀式”だから。




…初めては、高校を卒業してすぐだった。



ずっと考えてた。


感情があるから
笑ったり、泣いたり、怒ったり、悲しんだりするんだって…人間は。



涼と結婚して、感情を殺すことを覚えた。



感情がなければ感じない。

汚れていく自分に対しての嫌悪感だって。




服を全て脱がされ

ベッドの上で微動だにしない私を見た涼は『初めて』と思ったみたいで、


「大丈夫だよ…」



私の耳元で何度も囁いて


指と口を使う。



一生懸命、私の上で動く涼の姿を見ていると


ホントにおかしくて


おかしくて涙なんか流してしまった。