群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

───しばらく私の周辺はうるさくて…



『おーちゃん、うちに帰ってきちゃ駄目よ。』


ママからの電話。


『こわ〜い顔してる女の子たちが、うちの前で睨んでるし、いたずら電話も多くてねぇ〜』


困ったわ、って言う割には呑気に話すママ。



「…ごめんね、ママ。こっちのせいで……」


『ううん、大丈夫なの。
電話は電話線抜いちゃったし。あっ、何かあったら携帯ね♪女の子たちは、くーちゃんが追い払ってくれてるから♪』


「え?そうだったんだ…」

『くーちゃんもだいぶ大人になってね。家の手伝いもしてくれるし、勉強も頑張ってるしね〜。』



電話の向こうで、ウフフッと笑ってるママ。


『──…だからね…』急に真面目な声をして



『…だから、おーちゃんも幸せになって大丈夫だからね。それが家族みんなからの願いだから。』



ママの優しい声……。


寄り道をしていた妹が、いい方向に変わってくれたことは本当に嬉しかった。

それに、…離れてると、家族の優しさを近くにいたときより感じて、胸が熱くなったのと同時に、胸が痛んだ。



「ありがと、ママ…」



私はすぐに電話を切る。



これ以上、ママの声を聞いちゃうと、言ってはいけないことまで口走りそうだった…。



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桜舞う季節。

色付く木々は鮮やかで太陽の光は眩しかった。


四月になって、先生は異動先の高校へ、私は短大へと進学し、私たちの『遠距離婚』が始まった──…。



──…そして私は、19回目の誕生日を向かえた。