群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

それからすぐに私は高校を無事卒業した。



地味に過ごしてた高校生活で、友達と呼べる人はいなかったけど、三年間慣れ親しんだ校舎から離れるのはやっぱりどこか寂しかった。

それに…この学校に来なければ、先生に会うこともなかったのに…。

後悔の波も一緒に押し寄せてきてた。



けど、あの人のことだから、高校で出会わなくても、必ず私の人生の途中に割り込んで来てただろう…。



そして、その日に私と先生は役所に行き、婚姻届を提出した。


──…こんな紙切れ一枚で人生が変わるなんてね。



その時から私は『三崎美桜』になった。


実感はまだわかなかったけど、お父さんとママと名字が変わってしまったっていうことが…ホントに悲しかった。



──先生も離任式を向かえ、卒業した生徒の姿も体育館にチラホラ見える。


私の周辺からは

「三崎センセ〜行っちゃヤダ〜!!」とか

「私も連れていって〜」
とか

「結婚して〜」とか……。

──…代わりにお願いしたいよ……。


壇上に上がり、挨拶をしてる先生に目を向けた。



「───では、短い間でしたが、皆さんと過ごしたこの学校のことは忘れません。お世話になりました。」

この人の一言一言に、周りがキャーキャー言って…。



聞いてる方が疲れてくる…



先生が私を見た。…意味深な笑みを浮かべたと思ったら



「最後に、──私事〈ワタクシゴト〉ですが、先日、婚姻届を提出してきました。」


…………!!



みんな騒ぎはじめて……。



すっごく、嫌な予感が…。

「お相手の女性は、先日この学校を卒業した……」



「清宮美桜さんです。」


にっこり微笑む先生。



唖然とした私……。



ギャーギャー騒ぐ周辺。



「誰?清宮って?!」

「許せないっ!!」

「今日来てるの?!探そうよ!」




他の先生方が『静かに!』なんて言っても全然意味なくて…。



身の危険を感じた私は、そーっと……その場を立ち去った。