群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

「ちゃんと眞子さんにお礼言いたかったのにっ!」


私は瀬南くんを睨む。



…いつもは憎まれ口を叩いてくる瀬南くんが困ったような顔をした。




「──…ごめん。無理矢理引っ張って。

…眞子が、義姉さんに聞かれたくないこと言おうとしたから…つい……」




別人みたいに謝ったから、……戸惑ってしまった。



「…私に聞かれたくないこと…」


まぁ、あってもおかしくないよね、そういうコト。


眞子さんと瀬南くんの二人は、付き合い長いんだから……。



「あ、でもホントは別に聞かれてもいいんだけどっ!」


ちょっと焦り気味に話し出しす…



「…けど、義姉さんには、自分のことだけ考えてほしいんだ…。アイツとの今後とか。
オレの話は、──…まぁ、メンドーな話だから聞かないほうがいい。…だから、……………言わないっ♪」


最後にはいつものやんちゃな笑みを出し、



「じゃ、オレ、荷物取ってくるから、義姉さん先に車に乗ってて〜」




私の掌に鍵を落として、瀬南くんはまた眞子さんの部屋に走って戻っていく。



その後ろ姿はいつもの瀬南くんで…



なぜか私を助けてくれる瀬南くんも、過去に何かあったんだ、よね。




眞子さんの様子もおかしかったし……。




─あっ、いけない!


こうやって考えさせないために瀬南くん、私に聞かせなかったのに…。




私は首をプルプル振りながら、瀬南くんの車に乗った。


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すぐに瀬南くんは戻ってきて車を出したけど、なんか…会話のきっかけが掴めずお互い黙っていた。


しばらくして、瀬南くんから口を開く。



「…オレ、四月から実習に入るから、あまり家に帰れないんだ。…その、義姉さん──…」


…私、瀬南くんの言いたいこと、わかった。



「ありがと、瀬南くん。
昨日、泣くだけ泣いたらすっきりした。

気持ちの整理はついたから、
──…もう平気だよ!


…って言うか、今の瀬南くんのセリフ、なかなか会えない恋人同士みた〜い♪」