群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

私とハルくんの荒い息遣いだけが、静かな部屋に響いてて、──…私たちは自然と手を繋いでた。



床の冷たさが気持ちよくて、顔をつける。



「…おーちゃん…」


ハルくんが息を整え、私に話しかける。


「…ん…。なに…?」



私も弾む息を整えて、ゆっくりハルくんを見た。




「…ごめん。──…初めてだったよね…。俺、夢中で…」



ハルくんは、眉毛を下げ、なんだか申し訳なさそうな顔をして謝ってて…


さっきまでの、たくましい彼とは違い、…また可愛いハルくんの顔になる。



子どもなのか、大人なのかわかんないや…



「──…だから、好きな人としたかったの。


…ハルくんがよかったの」


だって今、こんなに幸せだもん……。



初めては好きな人と──…


叶えられた。



もう、…平気。



もう一度笑う。



そんな私を、…ハルくんは大きな胸で私の体を包んでくれる。



可愛いハルくん。


愛しいハルくん…。



「──ハルくん…」


声に出して呼んだ。



ハルくんの腕に力が入って

「…晴海って呼んでよ、おーちゃん。

皆、『ハル』って呼んでるけど、ホントは『はるみ』って言うんだ。……女みたいな名前だから自分の名前大っ嫌いだったけど……

おーちゃんが呼んでくれるなら、自分の名前も、自分のことも…、好きになれそうな気が……して」


赤い顔をしたハルくんが、私のオデコに自分のオデコをコツンとくっつける。



……ずっと前から呼びたかったハルくんの名前。



「ハルくんの名前、私は好きだよ。…すごく合ってて──素敵な名前だよ。」



「──…晴海くん…」


心の中では何度も呼んでた。

…面と向かって呼ぶのは、恥ずかしくなったけど、ずっとそう呼びたかったから…


嬉しくて何度も呼んだ。



その度に彼は微笑んで、私の髪を撫でてくれる。




ずっとこのまま、そばにいてほしかった。




だって彼は、私の……




「運命の人」だったから…