群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

やっぱりいないよね…。



淡い期待を抱いていた自分と、自分の決断の遅さにムカついて…ぎゅっと手を握る。



時計台の横にあるベンチに座った。



──…あれ?



慌てて立って、…ベンチを触る…。




まだ、あったかい…?



…ハルくんはついさっきまでここに座ってた?




違うかもしれない。



でも……、



──…私の足は、ハルくんの家に向かってた。






公園を出て、この間の記憶を辿り、私は走った。




……はぁ…はぁ…



運動不足の体に突き刺さる冷たい風が、余計に痛みを倍増させて、足取りも重くなってきた…。




ここで諦めたら…二度と会えなくなる…!




辺りはもう薄暗くて、太陽は沈みかけている。




こんなはっきりと見える群青色の空は、事故にあった以来で、私の足をすくませた……。



駄目!諦めちゃ駄目!!




私はまた、走り続ける。




……ハルくん。



ハルくん…………。




街灯に明かりがつき始めた頃、見覚えのある通りに出た。





確か…この辺りの大きなお屋敷…。





あ…





『──ハ、ハルくんっっ!!』


見覚えのある後ろ姿に…
ありったけの大声で叫んでた。




…振り向いた彼は、



紛れもなく、会いたくて会いたくて仕方なかった……ハルくんだった──…。




……はぁ、…よかった。



安堵した私は、その場に崩れかけそうになった…。