群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

『死』……… 確かに今まで考えなかったわけじゃない。



先生から逃れられるなら…って。



けど、色んな、大切な人の顔がチラついて…駄目だった。


…違う。駄目なんかじゃない。よかったんだ、生きてて。




「…ありがと──…」



グズッ──…涙が溢れる。



「…義姉さん。目ぇ腫れてブスになるから…泣くな」


ぶっきらぼうだけど、瀬南くんの優しさってヤツを私は感じた──…。




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「ここでいいのか?」


公園の入り口に着いた。



「うん。本当にありがとう─……」



時計を見る。…もう17時を回ってしまった。


もういないと思うけど、向かわずにはいられなくて…


「じゃ、行ってくるね!」


瀬南くんに手を振る。



「…あ、義姉さん。


アイツ、一旦うちに寄ってからマンションに行くと思うから、そんときは連絡するよ。迎えに向かうから。」


そう言って、瀬南くんも手を振って、車は走り去った。




急がなくちゃ!


私は公園の中へと走った。



事故に合って以来、本気で走ったことがなかったけど、おもいっきり走ってた。


…寒さからか、やっぱり古傷が痛む。



慣れないヒールも痛かった。



ハルくんっ…




はぁ、…時計台…。





──…いない……。





そこにハルくんの姿はなくて…ゆっくり時計台へと近付いた。