群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

「…大ちゃん、恐いよ。



ハルくんには……女の人とケジメ…つけてくるから、
──…来週、会いたいって言われた…」



大ちゃんにやっと聞こえるぐらいの声で言った。



「──だったら!
…ハルはいいヤツだよ?ホントに!
おーちゃん、ずっとハルのこと好きだったんだろ?


だったら──…」

「無理なの!」




私は大ちゃんの話をさえぎった。





「──…ねぇ。おーちゃん……やっぱりおかしいよ?
………何かあった?」



大ちゃんの心配そうな声。
けど、私は口を閉ざしたまま…。




「……ボクは、おーちゃんも、ハルも好きだから…二人には幸せになってもらいたいんだ……」



私の肩に、そっと手を置いた。




「……ボクにも言えないこと…?」





正直迷ってた。


…誰かに聞いてもらえれば、少しは楽になる?




それなら…
大ちゃんになら──…






「──…あのね、──…」

決心して、口を開く。






その時、


走ってきた車のヘッドライトが、私たちを照らしつけた。



眩しくて…目がくらんでしまい、慣れるまでそのまま立ちすくんでると、



バタンッ─────




「──美桜!!」





聞き覚えのある声──…




──…私を、甘い夢の世界から、現実に引き戻す存在の"あの人"が……車から降りてきた。







──…三崎先生。



「君の家に行ったけど、まだ帰ってないと言われてね。

……美桜、こんなところで、こんな時間まで、一体何をしているんだ?」




落ち着いた声だったけど……それが余計に恐怖を感じさせて…私はすくんだ。