群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

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ハルくんは私を大ちゃんの家まで送ってくれた。


「…送ってくれてありがとう。


今日は本当にありがとうございました。

…とっても楽しかった!」



本当に楽しかった。



好きな人と一緒にいることは、こんなに幸せだってことを肌で感じた日。




…これが最後だとしても。


これが夢だったとしても、幸せ。



「来週、必ず…」


ハルくんはそう言って、



私に腕をそっとかけて、抱き締めてくれた。



夢じゃない。


ハルくんの体温を感じる。


…聞こえるドキドキは誰のもの?


私?

……ハルくん?



ずっとこうしていたかった──…。



──何度も振り返り、ハルくんは角を曲がった。



さっきまで一緒に居たのに、こんなにも別れがつらいなんて…。



──…苦しいよ。



しばらく、ハルくんが曲がった角を見つめていた。





「おかえり。」



後ろから声が聞こえくる。


「……大ちゃん。」



玄関から出てきた大ちゃんが、ゆっくり歩いてきた。




「…うまくいったみたいだね。──…よかった。」



目を細めて笑ってる大ちゃん…。



…え?!
さっきの見られてた?!



焦っている私を見てる大ちゃんは


「心配しないで。ハルと抱き合ってるのなんて見てないから〜」



楽しそうに言った。




「…見てるじゃないっ!」

心臓に悪いよっ!



「い〜じゃん、減るもんじゃないしさっ♪」



ケケッて笑ってるしっ!



…そんな大ちゃんが、ふと真顔になって



「……ハルと付き合うんでしょ?」


聞いてきたんだ。




「──…そんなこと、考えたことないよ…」


「なんで?!ハルになんか言われたんでしょ?」


大ちゃんの声が大きくなる。

「……言われたって…」

「何言われたの?!」

恐い…。私はグッと身構えた──…。