俺は瑠美のキスをかわし


抱き締める。


別に抱き締めたかったんじゃない。



どんなに綺麗な女からも


どんなに可愛い女からでも


女から『される』のは嫌いだった。



何かを『される』ことが大嫌い。



自分がしたいときにする。


キスも


セックスも…。



── いつも

そうやって生きてきた。




─── この頃の俺は


"その時だけ楽しめばいいじゃん"


行き辺りばったりの毎日。


女にも不自由しなかった。


高校生には見えない体格、
大人びた顔立ちをしていた俺は


近寄ってくる女を、上手にとっかえひっかえ抱いていた。


好きでもない女たちとのセックスは


ただ、自分の欲を満たすだけの



それだけの繋がり。