群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

ごめんね"香織サン"。


今日は私の『彼氏』だから。



……ううん、違う。



『彼氏』じゃなくても、
"香織"サンより……誰よりハルくんのこと大好き。



あと、もう少し。


……誰も邪魔しないで下さい。


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──…だけど、電車に乗ってから、私はハルくんに謝った。



さっき、"香織サン"に言ったことは、自分のことしか考えてなくて、ハルくんの気持ちを考えてなかった言動だって気付いたから。



そんな私にハルくんは

「こっちこそ助かったよ」


微笑んで、そう言ってくれたけど、やっぱり自分勝手だった自分が嫌になって、電車の窓から外を眺めてた。


……きっと、こういう気持ちを『嫉妬』って言うんだろう。…ハルくんと親密そうにしてた"香織サン"が羨ましくて…妬ましかった。


私の知らないハルくんを、彼女はたくさん知ってるんだって思うだけで、私の心はモヤモヤしてきて…。


ガラスに映った醜い自分の顔がこっちを見てて、思わず目を反らしてしまった。



けど、こんな気持ちになるのも今日が最後。


だって、私、結婚するんだから……。




…あっという間に、朝、出発した駅に着いてしまった。



あと何時間…あと何十分でハルくんとお別れするんだと思うと足取りが重くなってしまって…



ハルくんの背中を見つめながら、ゆっくり──…ゆっくり後を追った。