群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

それからは私のペース。



「あれ乗ろっ!」


「次はね〜あれ!!」



散々振り回しちゃった!



でも、ハルくんは嫌な顔をしないで、私と手を繋いだまま走ってくれた。



──…ハルくんと一緒にいて、わかったこと。


ハルくんと歩いてると、すれ違った女の子たちが


『今、すれ違った人、かっこよかったよね!』


って声を上げる。



…やっぱりハルくんは目立つんだって教えられたみたいで、寂しかった。



そして、ハルくんは優しかった。


嫌味じゃない優しさって言うのかな。……喉が渇いたなって思ってると、さりげなくジュースを買ってくれたり、人混みの中を通るときも私をカバーしてくれたり…


ハルくんが女の子にモテる理由がわかっちゃったよ。


でも、今日は私の『彼』なんだから!



皆…羨ましいでしょ?



大好きな『彼』との初デートは、順調で……順調過ぎて、…どんどん終わりの時間が迫ってくる──…



夕方になって、遊園地の乗り物たちがライトアップされていった。



「最後にあれ乗ろ!」



私は指したのは観覧車。



ハルくんと二人。…観覧車の中から、華やかで幻想的な光を見ていると、自分の置かれている立場──…現実を忘れそうになってしまう…。



…もうすぐハルくんとお別れなのに。


今の幸せがずっと続いていくようで…。



けどすぐに現実に引き戻され、観覧車から降りた。




「……出ようか」



ハルくんの言葉に、私たちはゆっくりと出口へ向かった……。



もうすぐ出口というとき、


『ハルぅ〜〜♪』




女の声と足音が私たちの元へ、近付いてきたんだ──…。