群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

大ちゃんとの別れ際、


「いっぱい楽しんでおいで」


大ちゃんが、耳元でそう言ってくれた。


私はコクンと頷く。


「ハル、よろしくね〜♪」


大ちゃんが、ハルくんに手を振って、私たちは別れた。


切符売り場の前で、ハルくんが止まって……。



……動かない?



………まだ、動かない!?



…もしかして、どこ行くのか迷ってる…?私、困らせてるんだ!!



「ハ、ハルくんっ!」



慌てて駆け寄った。



ハルくんは、やっぱり眉毛がハの字に下がってて…



「どこか行きたいとこある?」



申し訳なさそうに聞いてきた。



「遊園地!!」


絶対遊園地!好きな人との初めてのデートは遊園地って決めてた私。


即答だった私を見てるハルくんは…きょとんとしてる!何回見ただろ、ハルくんのきょとん顔…。たけど、ふふって笑ってくれた!!



「じゃ、遊園地ね」


遊園地までの切符を買ってくれて、私たちは電車に乗り込んだ。


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──…やっぱり二月って寒いっ!


もうすぐ春とは言え、まだまだ北風ピューピューな遊園地。



そんな遊園地も、さすが日曜日。家族連れがいっぱいいた。



懐かしいな。遊園地に来るのは何年ぶりだろう…。


多分、テニスを始める前だったから幼稚園かな?最後に来たのは。テニス始めてからは、土日は試合が入って、家族全員で出かけるってことはなくなっちゃってたから。



…そんな感傷にひたってたら、人の波から抜けられなくなっちゃった!!


背の高いハルくんが見えない〜!!


だいぶ後ろの方に来ちゃったのかな……?


そんなとき、



「こっち!」



ハルくんの声が聞こえたと思ったら、私は手を引っ張られて……温かい手の感触…。


人混みを抜け出し、手の方を見ると、そこにはハルくんの姿があった──…。




手、握っちゃった……。