群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

──…ホントはやっちゃダメなんだけど、健吾に捕まったら絶対ヤバイ!

…私たちは自転車に二人乗りをして猛ダッシュで自宅に戻った。



「はぁはぁはぁ……」


……久しぶりに力いっぱいペダル漕いだから、太ももがピクピクして痛い……


そんな私に気付いたのか、


「おーちゃん…大丈夫?」



未来が私の背中をさすってくれる。



──…はぁ、だいぶ落ち着いてきた。



「ありがと、もう大丈夫だよ。」


んーー、体を伸ばして



「中、入ろっか。」



私たちは、ママとみーちゃんに気付かれないように、ソロリ、ソロリ……二階へ上がった。





「…あたし、着替えてくるね……」


ドレス姿の未来はそう言って、自分の部屋へと戻った。



私も、自分の部屋に入り、戸を閉めた途端に、疲れがドッと出る。



……体の疲れもそうだけど、心の疲れのほうが大きかったのかも──…。




未来があんな状況に置かれてたなんて……。




今、考えても腹の中が煮えくりかえっている。




けど、どうにかしないと……。……あの男をこのままにしていたら、本気で未来のことを学校に言うだろう……。



どうすればいいの…?



どうしよう……?






───けど……私の中で、


答えは決まってた。




「…くーちゃん、入るよ?」



小声でドアに声をかけた。


「…いいよ」



未来の声がして、私はそっと中に入る。




未来はいつもの見慣れた部屋着に着替えてて、その姿をみて少し安心した。



私は、未来のベッドに腰をおろし、未来は机の椅子に座って、私たちは向かい合わせになった。




──…二人の間に沈黙が流れたあと、




「──…軽蔑したよね?」


未来が私から目をそらし、床を見ながら言った。



それは小さな声だったけど、未来が自分自身に言っているようで




胸が痛かった──…。