群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

未来の、下唇を噛みながら悔しそうに泣いてる顔を見てしまった私は、



なんとも言えない気持ちになった……─。



泣いてる未来を抱きおこして


「──…みんな心配してるよ。…ね──…帰ろ?」



背中を擦りながらそう言った。



すると、涙で化粧がぐちゃぐちゃになった顔を上げ、


「え……─?みんなって……」



「…みーちゃんもママも、すっごく心配してるんだよ。最近は特に様子がおかしいって……」



「─────……」


私は微かに笑って



「……気付いてないと思ったの?」



言うと、顔を手で覆って、コクンと頷いた。




「荷物は?制服とかは?」



「……駅のコインロッカーに……」



「そう……。とりあえず帰ろ。荷物は後で取りに行こうね」



うつ向いたまま、コクンと頷いた未来。




二人で繁華街を去ろうとしたとき、




「おいおい、俺のこと、忘れてねーか!!」


背後から声がした。



あ、忘れてた。健吾の存在……。



けど、無視してまた歩き出した。



「お…おいっ!いくらネエチャンだからって勝手に店から連れ出すなよ!」



私は健吾に、ぐいっと左肩を掴まれた。



とっさに、目の前のごみ置き場にあった段ボールの束をつかんで、ラケットがわりに健吾の顔目がけて、おもいっきりぶつけてやった。



「いって〜……───」



健吾は頭を抱えながら、その場にしゃがみ込みこんだ……



「今のうちっ!!」



未来の腕を引っ張って、繁華街のネオンから抜け出した──…。