群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

……─10分ぐらいで目的の繁華街に着いた。



さすが自転車っ!



けど…こんな夜中に、繁華街の町中を自転車で走ったら、逆に目立ちそうだよな…



私は繁華街の入り口の建物の陰に、自転車を停めて歩いた。



ここは昼間は賑やかなんだろうけど、今の時間は閑散としている。それに……アヤシイお店、アヤシイ人しかいない…。



目を合わせないように、サッサと歩く。



…未来、ホントにこの街にいるの?!


冷たい風と居心地の悪さが私をイライラさせる──…



目の前には、またアヤシイ店がキラビヤカにアヤシイ光を放っている…。



お店の前には、若い女の人たち──着物姿の人と、ピンクのドレスを着た人と黒のドレスを着た人、女の人3人がお客さんを見送りに出てきたのか、去っていくタクシーにお辞儀をしたり『また来てね〜』手を振ったりしていた。



世界が違う……




下を向きながら店の前を足早に去ろうとしたら



『おいっ。』



……─低くて太い、男の人の声が後ろからして




私はドキリとして、足が止まってしまった──…