群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

パラパラと最初のほうからめくってみる。



……高校に入ってからの日記には、特に変わった内容は書いていない。




……あれは三崎先生の作り話だったのかもしれない。


そんな小さな希望がわいてきた。



──…あ


『初めて彼氏ができた!』


そんな内容が目に止まる。



──未来の日記によると、

彼氏は二十歳のフリーター。



ダンス留学を目指していて、未来の学校の近くにある繁華街のレンガ通りで仲間と踊ってる、らしい。




さらにページをめくると、

未来と──…未来の彼氏らしき男の人と写っているプリクラが貼ってあった。



…ママが眉をひそめるのもなんとなくわかった。



彼は、

金髪の坊主に剃り込みが入っていて、

つり上がってる眉毛は細くって、


口元には髭を生やしている。


サングラスをかけていたから、目元はどんななのか、わかならかったけど、



一言で言ってしまうと、




怖そう…。



近寄りがたい雰囲気だし、『俺に近付くな!』オーラが出てるんだけど…。



……ホントにこの人未来の彼氏なの?!




また、めくる……


『彼が車で人をはねてしまったって泣きながら私に打ち明けてくれた。

相手の人は軽傷だったけど、示談金が必要になったって。

いつもは冷たい彼が、私に泣いてお願いしてる…。


やっぱり彼には私が居ないと駄目なんだってその時感じた!』




あとは、これに近い内容はズラズラ書き記されていた。




『ファーストフードは給料が安くて、すぐにお金が貯まらないから、彼がお金がたくさんもらえるバイトを紹介してくれるって!』



……それからのことは日記には書いていなかった。



なんかそれが、真実を語っている気がして




日記を閉じた。