群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜

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「──…ただいま…」




「おかえりなさ〜い。

終業式だったのに遅かったわね?


あら、濡れてるじゃない!!お風呂入って!受験生なのに風邪引いたら大変!」



廊下まで出てきたママが急いでお風呂場に向かった。



…私はしばらく玄関に立ったまま。

…ママからタオルを渡されてようやく動く。




「ほら、お風呂に入って温まって!」




──ママに引っ張られて、
お風呂場に連れてこられた。


私の様子がおかしいと感じたママは、風邪の引き始めだと思い、


「薬、切らしてるから買ってくるから!お風呂入っててね!」



そう言い残し、バタバタと家を飛び出した。



…私は服を脱ぎ、湯船につかる。




──温かい…


だけど、心は冷たいまま。


本当に風邪だったらいいのに…。



薬で治る痛みなら、どんなことをしても耐えるのに……─



どうして──…



どうしてこんなことになっちゃったの──…?




神様は不公平だ。


私にばかり試練を与える。


「──…どうすればいいの…」



湯船に涙がポツッ、ポツッと、



まるで私の気持ちみたいに、幾度となく沈んでいった……。