「あの子のお付き合いしてる彼のことなんだけど…」


──カレシ、いたんだ。


まぁ、高校生だし、いても不思議じゃないよね。



「ママ、偶然見たことがあるの……。一回だけなんだけど。」


「…うん、それで?」


「……なんかね、友達5、6人と一緒にいたんだけど、みんな柄の悪そうな感じで…。

未来に聞いたの。


そしたら

『誰と付き合おうと関係ないでしょ!』って言われて…それっきり…。」


ママはソファーの背持たれにもたれる。


「…お父さんは?何か聞いたの?」


お父さんを見る。


「……聞いたけど、

『今さら、父親面するな』って…」



肩を落としてるお父さん…。


みーちゃんと私には厳しい父親だったけど、末っ子の未来には甘かったから、そう言われてショックを受けてるみたい…。



「最近、帰りも遅いから、みんなで心配してるんだよ。」



「どこで何してるのか…」


…私が家族から離れている間、妹にも異変が起きていたのは、


そのあとの出来事でわかることになるとは

この時、思ってもみなかった──…。