言葉とはウラハラに、

未来はすぐに立ち上がって階段を駆け上がって言ってしまった。



「………………」


みーちゃんは黙って、未来が出ていったドアを見ていて…



「……みーちゃんがいなくなっちゃうから寂しいんだよ」



正直、未来が、何を考えているのかは、まったくわかんない。



けど、みーちゃんがいなくなって寂しい、この気持ちは一緒だと思ったから。



ポツリと言った私に目を向けて、みーちゃんは、


「おーちゃんは

くーちゃんのこと嫌い?」



躊躇なく聞いてきた。



お父さんとママは驚いて


「なっ、なに言ってるんだ!」


「そうよっ!みーちゃんたら〜」


なんてアワアワしてたけど、至ってみーちゃんは冷静。



……私も、なんだか冷静でいられた。


フウッと溜め息をついて、


「──…嫌いになれたら楽だよね」


……たった一人の可愛い妹だもん。嫌いになれるわけがない。



「…そっか、聞いてみてよかった〜」



安堵の表情を浮かべる、
みーちゃん。



ちょっと困ったような顔をして、みーちゃんは言葉を続ける。


「…あの子、意地っ張りだけど寂しがり屋だから、

おーちゃん、お願いね。」

みーちゃんのしっかりした声。


「わかった、任せて。

…私が守るから。」




…雪解けが近い、そう感じた瞬間だった。



「──…ただね、心配なことがあって…」



みーちゃんはママを見る。

ママは何かを話そうか迷ってた。


「…なにかあったの?」


なかなか話そうとしないママに、私から質問した。



「──…ん、実はね…」


ママが重く口を開いた。