「発表がありま〜す♪」


普段より高い声を出して、みーちゃんが席を立つ。



──久しぶりに、家族全員がリビングに集まった。


お父さん、ママ、みーちゃん、くーちゃん、…そして私。



先週から『次の日曜は空けてて!』と、みーちゃんから言われてて、


そして今、リビングに呼ばれた。



そんな、みーちゃんが口を開く───


「私、結婚しま〜す♪」



「え?」
「は?」
「ん?」
「…まじ?」


家族みんなの声が重なった。



お父さんなんか、口開けっぱなしだし…。


そんなことはお構いなしに


「施設でお世話してるおじいちゃんのお孫さんで、

会社役員してる人なの♪」


キャッと頬を染めながら話す。



「そっ、そんな慌てて結婚しなくても…」


最初にお父さんが。



「いつからお付き合いしてたの〜!」


なんだか、ノリノリのママ。



そして無言の私と未来。



「一年前かなぁ。ボランティア始めたときにはいいなって思ってて、気付いたら、いつも一緒に居て…


この人と生きていきたいって思えたの。


そしたら、彼も同じ考えで…」



そう微笑むみーちゃんは

とても幸せそうだった。



お父さんは何も言えず。。

「…ちゃんと、卒業してからだぞ!」



唯一、言えたのはこれだけ。


結婚…。
結婚したら、みーちゃんはこの家、出ていくんだよね…


それは寂しい。けど、


「おめでと、みーちゃん」

久々に清宮家に訪れた朗報だもん。…それに、大好きな姉のこと。

久しぶりに私の顔から笑みが溢れた。


「ありがと、おーちゃん」

みーちゃんは、ますます笑顔が眩しくなった。



「くーちゃん…」



みーちゃんが、未来に声をかけた。


「──…よかったね…」