「野球もテニスも大嫌い!もうほっといてください!!」



カバンを素早く取って走った。



校舎から出ても走ってた。


──…思い出したくないのに。



──…誰とも関わりたくないのに。



私のことなんかほっておいてよ…。



──しばらく立ってから足を止めて息を整える…。



「──…あ、メガネ…」


取り返すの忘れた。



──…あの先生が持ってるだろう……。また会わないといけないの… なんか癖のある先生で、もう会いたくないよ…。


「──…私が何したって言うのよ…」


何に対して言ったのか、わかんないけど、溜め息にも似た言葉が口に出てしまった。



──…こんなこと言っちゃダメだ。




……だってこれは私に与えられた罰なんだから。


「このまま帰ると、早く家に着き過ぎちゃうな…」


…──けど、他に行くとこないし…。


「仕方ないな…」


私はカバンを持ち直し、駅まで歩いて行った。