牛乳瓶の底のようなフチアリメガネをかけ


髪は三編み、もしくは下に一つに縛り、標準丈のスカート。


ダサくて、暗い私は、華やかなクラスメイトから


いいように扱われてた。


けど、頭は良く


成績は常にトップ5に入ってたから



ほどほどいいように使われるくらい。


うまく立ち回る。


断って、あれこれ言われるのは面倒だから、言われたことは引き受ける。



「…ってゆーか、
サユミって彼氏いないじゃん。」


勉強を止め、溜め息をついた。


嘘つくなら、もっとマシな嘘つけって…。





また手を動かした。




───ガラッ



珍しく、図書室の入り口が開く音がした。



入り口に背を向けて座っていた私は、さほど気にせず勉強を続ける。




「──…やっぱり。


清宮さんか。」



近付いてきた足音が


私の前で止まり



私の名前を呼んだ。



───男の人の声。


先生か…。


「──何か?」


顔を上げる。