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「──…くくっ…アハハハハハハハッ───!!」



スタンドに大ちゃんの笑い声が響く。



「笑い事じゃないよ〜ホントに。
…くーちゃん、私に敵意ムキ出しなんだもん…。」


──…試合が終わって、

大ちゃんと私はスタンドで話をしていた。


──今朝の出来事を話したら…大ウケ(?)してる大ちゃん。



「試合ないときにうち来て、くーちゃんに会ってあげてね。だってさ〜……」

──…大ちゃんのこと、好きだったんだって、って言う言葉を慌てて飲み込んだ。


──…言わない方がいいよね。気まずくなっちゃったら可哀想だし、
そしたら…絶対くーちゃんに恨まれる!!



一つ下の妹、未来〈ミク〉は
私と年が近いせいなのか、
いつもネチネチつっかかってくる。


大ちゃんのことだけじゃなくて、学校こととか、勉強のこととか……。


変なことにつっかかってきて、ムカッとくるときもあるけど、


それでも可愛い妹。



本人は、

『なんでもっと可愛い顔に産んでくるなかったの?!』

って、ママにつっかかってたこともあっただけど、


未来は、ママとお父さんのイイトコ取り。


ママ似の姉、実花と
お父さん似の私と
二人に似た妹、未来。


誰にも、どこも劣ってないのに。


大ちゃんに会えば…
大ちゃんの笑顔見れば、


きっと未来の心のトゲが少し消えるかも…。



「うんっ!

ボクも満〈ミチル〉さんにも会いたいし、みーちゃんにも、くーちゃんにも会いたいよ♪」


…満〈ミチル〉さんとはうちのママのこと

あまりにも若いママに、

「『満オバさん』はナイでしょー!」

と、大ちゃんは小さい頃から『満さん』名前で読んでた。

まぁ、確かに。


…逆に『オバさん』なんて読んだら…怒られそう!


そんな大ちゃんを見て、私も笑った。