───…よく、『恋をすると女の子は変わる』って言われるけど、


私はその中でも
典型的な例なのかもしれない。



"ハルくん"に恋をしてから、

会える日まで頑張ろう!と意気込む私がいて、


勉強も、テニスも、
今まで以上に頑張れたし、

一生懸命な自分も好きになれた。



親友の彩〈アヤ〉も、


『はりきってるねー

なんか、イイコトでもあったかなぁ?』


ニヤニヤしながらつつかれた。


ハルくんのことを言おうかと、喉の奥まで出かけたこともあった。


…けど、


『小学生』。



このことがひっかかって、

「…まぁネ。」

曖昧な返事しか出来なかった。


──…大人になってからの二つ下は


対したことないのかもしれないけど、


今の私たちにとっての二つ下は、すっごく大きすぎるから。


早く中学三年生になりたかった。


私が三年生になったら、

ハルくんは中学一年生になるから。



…それで時間が止まってほしい。


私が高校生になったら、


また、見えない距離ができるじゃない…?


なんで、もっと遅く産まれなかったんだろう、私…。


そんな無理なことを考えたりもしたけど、


欲張らないから、今日も彼に会えますように…



…毎回そんなことを考えながら、電車に揺られてた。