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あれから


季節は移り変わり、


暑い夏は、駆け足で去って行って


彩り豊かな秋の頃



秋の大会が始まって



私は、時間が合うと球場に足を運んでいた。


以前より


土日、家にいない私。そんな私に妹は


「大ちゃんと怪しい!!」

私を責める。



「……だから、違うっていってるでしょ?」


…毎回、否定するけど声にも力がなくなる。



二つ上の姉、実花〈ミカ〉は
「おーちゃんが違うって言ってるんだから、違うのよ」

私の味方をしてくれたけど、

「そーやってみんなして味方してー!!

あたし、こーんなちっちゃいころから、大ちゃん好きだったのに!!」



「だーかーらー……」


「おーちゃん、時間は?
出かけなくていいのかな?

くーちゃんもボリューム下げてよ〜!ご近所さんに怒られちゃうわよ〜!」



「──…あ!まずいっ!!」


慌ててバッグを持って玄関に向かう。


後ろから

『逃げるな〜!卑怯者〜!!』


未来の叫び声。


今日は日曜。テニスの試合がない、貴重な日。



今日も彼に会いに行く。


話せないし、目も合わせられない。


遠くから見てるだけ、だけど、



それでもいいんだ。



見ているだけで、


幸せだから。