大ちゃんは


私の手を握ったまま、一塁側のスタンドに向かった。


「ボクたち、こっち側のベンチなんだ」



前の席に案内され座った。


「今、四回裏。ボクは五回から出番だよ。間に合ってよかった〜!


絶対!おーちゃんに見て欲しかったんだ。」



にっこりする大ちゃん。



大ちゃんの手が、熱くなってきた。



熱い…




『だいすけっ!!小学生のクセに、イチャついてんな!』

『もうすぐ出番だから戻ってこ〜い!!』




「あっ、呼ばれちゃった〜」


私の手をほどく。





…ホッとする私。


「じゃ、ボク行ってくるね♪応援してね!」



大ちゃんは


両手を大きく振ってベンチに戻った。


笑顔は


昔と変わんないのに。




…男の子ってかわるんだ。