「気にしないで。


大したことしてないから。」


ふふっと笑いながら彼は言う。




「かわいいお姫様を守る

騎士〈ナイト〉くんか。」



なんてキザなこと言うから
私の方が恥ずかしくなってきちゃった!!


「俺がスタンドに案内するから、行こっ」



私の手を引く大ちゃん。




私はもう一度


「…ありがとうごさいました。」



お礼を言った。



手を引かれるまま歩いていると



「私の顔を忘れないで。



…ミオ。」





後ろから

何か聞こえた気がして



振り向いた。


けど…あの人はいなくて、


気のせいか…。




──…この時はまだ、


『彼』が、私の運命を変える相手だなんて



思っても見なかったから。