「──……」




低い声に固まってしまった。恐る恐る、呼ばれた方に目を向ける。



「…おっ、当ったり〜!

かわい〜じゃん♪」



「ねぇねぇ、一人ぃ〜?」



…髪の長い茶髪の人と


黒髪でツンツン頭の人。


高校生くらい?で、野球場には似合わなそうな二人が



ニヤニヤしながら話しかけてきた。




──…なに?…なんか気持悪い…



私は眉をひそめ、目を反らす。


けど、それが逆に



「なーんか可愛いすぎ〜♪」


「ホント、可愛いねぇ、君!

このへんに住んでるの〜?」

じわりじわりと私に近づいてくる…





…こわいっ!!



私は即座に後ろを向いて



逃げた。




「ちょっ…ちょっと待てよ!!」




…やだ、追い掛けてきてる!!



試合見に来ただけなのに……!




こわくて

振り返らず角を曲がった──。






「キャッ!!」
「わっ!!」