佐藤くんは言葉を続けた
「最初は・・・、冷たい印象だった。
ずっと外を見てるし、佐渡さんとしか話さないし。
でも、俺、一回須川さんに聞いたことあるんだよね
覚えてないかな?
『なんで外ばっかり見てるの?』って」
・・・覚えてない
佐藤くんとは、何回か話したことあるけど、よく覚えてない
クラスでのこととかだったと思う
「そしたらさ、初めて俺のほう見てくれて、
『空は嘘をつかないから』って言ったんだよ
それ聞いてからさ、俺、なんかかんかあったとき
空見るようになってさ
気付いたんだ。俺は、須川さんが好きなんだって」
佐藤くん・・・
「俺と・・・付き合ってください」
すっごいいい人だ。
この人なら、あたしを、アタシ自身をみてくれるかもしれない
この人なら、あたしを愛してくれるかもしれない
でも-----
「ごめんなさい」

