もうひとつの卒業

「美容なんて関係ないわ。たいした女じゃないし」

早苗は再び美しい顔を見ながら答えた。

「でも、今の先生は解放されてる気がします」

早苗はちょっと笑って、それからさみしい顔をした。

「引退試合の結果。私のせいだわ。

手をこまねいていた私のせい。

バスケのコーチを外部に頼もうと思うの。

そうすれば、みんな上達するんじゃないかしら」