夏休みが始まった。

誰がどれだけひいき目に見ても、完璧な夏だった。

太陽は雲を蹴散らし、空が宇宙の果てまで青かった。



早苗の部屋にも夏の強烈な日差しが差し込んだ。

しかし、拓馬がカメラを持って部屋を訪れることはなかった。